2006/12/09
スカパー、ムービープラスで視聴。
たしか、プレミアかなにかで来日した主役を演じた彼、
リチャード・ギアが「
オリジナルとはまったく別物に仕上がっている」と話していたと記憶している。
この作品は、彼の言うとおり、まったくオリジナルとは別物。ベースとなった「Shall we ダンス?」のなかの、印象的なシーンは、ドラマの転機となる重要な
ポイントとして使われていたが、ドラマの内容もカメラワークも全体が完全にアメリカナイズされていた。
日本人の私には、オリジナルの方が感情移入しやすいし、共感しやすかった。
だから、まったくの別作品として楽しもうと思ったんだが…どうしてもオリジナルと比べてしまう。
まずびっくりしたのが、主人公の住居の大きさ、豪華さ。オリジナルとは雲泥の差。
日本も格差社会化がずいぶん進行していると評されているが、
アメリカ社会の格差の程度の反映なのかと思った。
オリジナルでは主婦だった彼の妻は、今作品ではキャリアウーマン。
子どもたちもより自立した人格として描かれている。
オリジナルでは、夫の変化に気づいた妻が、たしか「私もパートでもはじめようかしら」とかなんとか…そういうセリフがあったと記憶してるんだが。
会社も弁護士事務所だもんなあ。セレブリティ加減がちょっとアレだよなあ。
オリジナルではしがない
サラリーマンといった風情だった主人公とは、社会的地位も雲泥の差。
ゲイの青年が登場することや、ダンス
教室のベテラン女性がアルコール依存症であるらしいことなど、アメリカならではの要素が盛り込まれてはいるものの、それらの要素がドラマに奥行を加えていない。
これはリアルな違いだと感じたのは、竹中直人が演じた同僚の“正体”が
雑誌に掲載されたのを社員がからかうシーン。
オリジナルでは、日本の会社の雰囲気をよく反映していて、上司である主人公が、からかい笑い合う社員らを一喝してシーンと静まるのだが、今作品では、簡単には収まらない。からかわれている当の本人が登場して粋な“報復”をする。アメリカの職場の雰囲気がよく出てるんじゃないかと感じた違いだった。
オリジナルでは渡辺えり子が演じた女性、今作品では、階層がよく分らない、謎の素性のまま。母子家庭らしいことは分かるが、それ以上の人間像がよく分らないし、ピンとこない。現地の人間なら、この描写で合点がいくのかな。
もう一つ、私が物足りなさを感じた点、これはドラマ全体の説得力にかかわるんじゃないかと残念に感じた点があった。
主人公が車窓から見上げてみつけた女性、オリジナルでは草刈民代が「演じ」、今作品では
ジェニファー・ロペスが(よっぽど達者に)演じたポリーナの過去。
字幕ばかり追っていて、原語のセリフの聞き取りが甘かったせいか、なんだか、オリジナルと比べなくても、なんで第一線から退いてダンス教室に隠れたのか、パートナーと別れるにまで至ったのか、ちっとも合点がいかん。
あと最後。妻と踊るシーンは、これはできすぎでしょ。
オリジナルの、そこはかとない侘しさや慎ましさ、ほんわかとした幸福感を感じさせたシーンとは、これこそまさに、まったく別物、雲泥の差―
見終わって、それなりに泣けたし、笑えたし、楽しめたんだけれども、実感したのは、結局、オリジナル作品の周防監督の腕はやっぱりすばらしかったし、スタッフ、役者たちは見事な
アンサンブルを作り上げていたんだということ。
posted by Kyawa at 00:06
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