千里走単騎
SKY PerfecTV! PPVで視聴。
高倉健が醸しだす独特の雰囲気を、張芸謀(チャン・イーモウ)監督が、細部にも目を配って、豊かに写し撮った。
相変わらずカッコいい健さん。
俄か通訳を演じる男性がいい味を出している。
旅行会社の通訳のしっかりものの女性とのやりとり、刑務所での責任者とのやりとり、“楊楊(ヤンヤン)”を迎えに行った先での村人とのやりとりなど、気はいいのだが、頼りなさげ、しかし誠実な人物像を、コミカルに演じている。いや、演技なのか分からないほど。
しっかりものの通訳の女性、彼女の言うことの一つひとつがとても合理的。
理屈っぽいのではなく、とても現実的なのだ。
この人物の存在が、主人公の困難な旅を実現するのに、大きな役割を果たしている。
最初に涙腺をやられてしまったのは、口下手な主人公が、
中国当地の役所の面々に、ビデオで思いを伝えるシーン。
朴訥な話し振りは、「通訳」邱林(チュー・リン)の説明を聞きながらでも、映像で分かる。切々たる思いが、映像から伝わってくる。
ここでも、邱林のうっかりぶりがコミカルなのだが、そのうっかりぶりも切なさを増す。
監督が健さんに惚れ込んだように、健さんの雰囲気を生かした主人公の人物像、彼の人柄と痛切な思いが、異国の地で出会う人々を動かしていく過程の美しさ。
最後に涙腺をやられてしまったのは、高田が撮影した楊楊の画像が映し出されるシーン。
刑務所の
テレビ画面に映し出される画像を、李加民をはじめ、多くの入所者が見つめる。
はじめは訝しげにこちらを見つめる楊楊。ついて来る高田を不信の目で見やる楊楊の冷たい瞳。そして最後に、心をゆるした楊楊の笑顔。
それぞれの表情に、李加民は息子への愛おしさと不義理への悔恨を、他の入所者は塀の外にいる息子や家族、あるいは自分自身を重ねて涙する。
李加民を演じる役者さん、素晴らしい。素晴らしいとしか言葉で表現できない。
エンドロールではじめて分かったが、声だけで一度も姿を見せることのなかった高田健一、主人公の息子を演じたのが
中井貴一だったことにびっくり。
映画のはじめから威力を発揮する
デジタル機器。
携帯電話、
携帯ビデオカメラ、
コンパクトデジタルカメラ。これらのデジタル機器の存在が、現代的なんだけれども、旅先で人と人との絆を結ぶ重要な道具として生かされているところに、妙に感心してしまう。
夕陽に輝く玉龍雪山が美しい。
posted by Kyawa at 15:58
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