2007/05/07 Mon

憲法を語れ

ようやく、この5月3日を前後して、NHKがいくつかの特集番組を放映。
NHK総合で放映されたNHKスペシャルの特集も、NHK教育やBS2で放映されたETV特集も、かなり中身の濃い、刺激たっぷりの内容だった。

NHKスペシャルの方は、日本国憲法制定の過程を追うことで、いわゆる「押し付けられた憲法」という議論の出所が、まさしく、日本国憲法の柱となる特徴を好ましく思わない、むしろ敵視していた勢力だったことを浮き彫りにした。

ETV特集は、そもそも憲法というものが、国民から国家にたいする意見申し立て権を体現したものであるにもかかわらず、国民から離れたところで、「変える変えない」の議論がなされていることへの異議が提示された。
また、政府・与党の稚拙な国会内での意見とは別に、経済同友会の現旧幹部から、率直な護憲、改憲の理由が提示され、そのなかで、「グローバル化」すなわち新自由主義経済がもたらした、2つの典型的な思考が提示された。

経営の側からは、朝鮮半島植民地化、中国東北部侵略の際にも当時の経済界、政界から叫ばれた「生命線」との言葉。外国における経済活動の保護という名目。

テロ活動が世界的に脅威となるなか、その脅威から海外における邦人の経済活動を保護する必要があるというもの。
なぜ攻撃の対象となるのか、なぜテロ活動が発生しているのか。
現在泥沼化しているイラク・アフガン情勢から、いったい何を学ぶべきなのかが鋭く問われている。

かたや、新自由主義経済のもと、きわめて不均衡な競争社会のなかで、懸命に働いていても低賃金無権利状態のなかで、「平和という名のこの極度に競争的な戦場のなかで朽ちるよりも、いっそ戦争という劇的変化に、未来を見出したい」という青壮年フリーター

安倍内閣要人の間からほとばしり出てくる、古めかしい時代錯誤の軍国主義的主張が、極めて現代的な経済的政治的要求と相まって、かもし出されていることがうかがえる。
それを支えている、富める側の理屈と、その富める側によって極端に追い込まれ、貧困のなかで閉塞感にさいなまれ、侵す側の論理に共感同調している人たちとが作り出している土壌。

特集のコンセプトが、だから、「憲法をまず語れ」としたことは、とても大事なことだったと思った。
ただ、もっと早くこれらの特集が組まれてもよかった。遅すぎはしないし、こういう特集が組まれたこと自体、これまで、国民的論議をできるだけ避けて、一気呵成にすすめようとしていた勢力の思惑をこえて、国民間に憲法論議がまきおこりつつあることの反映だろうと思うんだけれども。
posted by Kyawa at 21:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 憲法

2007/04/27 Fri

戦時中の強制奴隷労働


原告にたいする損害賠償金の支払いを命じた広島高等裁判所の判決をくつがえした最高裁の判決。
理由は、国家間の戦争賠償請求権を放棄した日中友好条約の条文にもとづいているという。

国家間の戦争賠償請求の放棄、というと、私がまず想定するのは、戦争における賠償金請求、領土併合などが当たり前であった第1次大戦の戦後処理と対照的な、無賠償無併合を原則とした第2次大戦の戦後処理のあり方だ。
これを、戦時の不当労働行為にたいする賠償請求にまで当てはめてしまった最高裁の判断に、たいへん不信を抱いてしまう。

日本政府の公式な対応にあわせたカタチになった今回の判決の骨子。
司法の独立というのが、いま改定が取りざたされている日本国憲法の柱の一つだが、この憲法の精神も、現在の最高裁には当てはまらないのだろうか。
posted by Kyawa at 19:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | 憲法

2007/04/13 Fri

「改憲手続き法」

すでに「国民投票法案」をめぐっては、そのねらいがあまりにもあからさまなことから、「改憲手続法案」と呼称されている。

この記事のなかで、「憲法改正」をもとめる安倍首相の“理由”がたいへん端的に紹介されている。

その理屈でゆくと、安倍首相をはじめとする与党・民主党が、その堅持を恒久的なものと前提している“日米同盟”の基軸となっている「日米安全保障条約」も、事実上、連合軍占領下で、事前の国民間での論議もなく締結されたシロモノなのだから、当然、「改正」「見直し」しようという議論がおこってしかるべきなのだが。

なぜ、二国間条約である安保条約を日本国憲法にあわせて見直すのではなく、国際社会が認めている独立国の最高法規である日本国憲法の方を、安保条約にもとづく法律体系にあわせようとするのか。
このひどく売国的で卑屈な姿勢が、なぜ許される政治状況があるのか。
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2007/03/28 Wed

「新編 靖国神社問題資料集」

HPでの公開が待ち遠しい。

asahi.com:国と靖国神社が一体で合祀進める 内部資料明らかに
2007年03月28日21時48分
戦没者の靖国神社への合祀(ごうし)をめぐり、旧厚生省と靖国神社が打ち合わせを重ね、一体となって合祀の基準を決めていたことが28日、国立国会図書館刊行の「新編 靖国神社問題資料集」に収録された内部文書から明らかになった。BC級戦犯の合祀について、厚生省側から、目立たないように合祀してはどうかと提案する場面の記録もある。新憲法の政教分離の原則がありながらも、合祀が国主導で進められたことを示す資料といえる。

〈新資料集の刊行〉 小泉内閣時代に靖国参拝の論議が再燃したことなどを受け、国立国会図書館が06年1月に作業を開始。合祀者の資格審査に関する靖国神社所蔵文書や、中曽根内閣時代の「閣僚の靖国神社参拝問題に関する懇談会」の議事概要など、非公開だった資料を含め808点を収録。
日本国憲法の内容が「時代遅れ」だとして、その改定を唱えている政治勢力が、日本国憲法第99条に反して、その内容を遵守する気が、端からなかったということがハッキリした。

ちなみに、日本国憲法第99条の条文は、以下の通り。
天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
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2006/11/09 Thu

NHKに制作してほしい番組

さきほど、つぎのような「意見・要望」を、NHKオンラインのメールフォームを利用して送信してみた。
番組製作の提案です。
現在、その改定が論議にのぼっている、日本国憲法や教育基本法などをはじめとする、国の基本法規の、朗読特集プログラムを、連続定期放映してはどうでしょうか。NHK教育の番組「にほんごであそぼ」の中に、宮沢賢治の詩などの方言朗読のコーナーがありますが、たいへんユニークで意欲的な内容だと思います。
改定がくり返し取りざたされている、最高法規をはじめとする国の基本法規、現行条文そのものをまず知っておかねばなりません。
現行条文自体も知らないままでは、改定論議に、国民の大多数がついていけません。「にほんごであそぼ」などのように、条文そのものを美しい多様な日本語で読み、聞き、知ることができるような番組を、現在の状況の中で提供することは、公共放送機関として、たいへん重要で不可欠な仕事ではないでしょうか。ご検討をお願いいたします。
このことをふと考えたのは、9月下旬のことだったし、「改定したい派」の教育基本法改定スケジュールのテンポからすると、ちと遅きに失したかという思いもあるが。
憲法や教育基本法もだし、労働基準法もやってもらいたいと思っている。
できれば、国連憲章とか、子どもの権利条約とか、日本が一応批准した格好になっている国際法規もプログラムになればいいな。
どうかなあこんなの。
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2006/06/25 Sun

戦争の痕跡

「戦争遺跡」という言葉を初めて聞いたのは、もう数年前のことだが、その当時には、「遺跡」という語彙の使い方に違和感があった。
しかし、やはり、「遺跡」と呼ぶにふさわしい。

asahi.com:さらに多数の人骨埋設か 新宿の旧陸軍軍医学校跡
2006年06月24日15時24分


配信されている記事によれば
東京都新宿区戸山で17年前、頭蓋骨(ずがいこつ)などの人骨が100体分以上発見された旧陸軍軍医学校の敷地近辺に、さらに大量の人骨が埋められている可能性が出てきた。同校で看護師を務めていた女性が今年、「進駐軍に見つからないよう人体標本を3カ所に埋めた」と初めて具体的に証言し、川崎厚労相に23日に面会して、その事実を伝えた。人骨には、日本兵の戦死体に加え、対戦国人の遺体も含まれているとみられる。厚労省は同地区を発掘調査する方針だ。
とのこと。

「発掘調査」が必要なのである。
実は、山梨県内にも、「戦争遺跡」が数カ所確認されている。このことは、県内の詩人の方の作品を読む機会があって、はじめて知ったのだ。
返田満・ネット詩集で発表されている(すでに単行本としても刊行されている)詩集『野の鳥山の鳥』所収の「平和憲法を守る」の描写に典型例がある。

戦争当時、同じ、軍国主義的全体主義(いわゆるファシズム)の同盟国(日独伊三国同盟)であった、かのドイツでは、アウシュビッツなどの負の遺産・痕跡が保存されている。
この保存運動は、とくに1980年代から、「自分たちの民族が犯した負の歴史を直視するために保存すべき建造物」が、市民らの運動によって発掘・指摘され、国民的論議を巻き起こし、ついには政治的圧力となって、ときの政府を動かした経過があると、後に知った。

戦後60年以上が経過して、いまなお、当時、秘密裏に廃棄された毒ガスによって、侵略先である中国や、国内の施設跡地などで、深刻な被害が広がっているというニュースも、以前配信されたことがある。

いまやドイツ政府は、ナチス・ドイツが侵略破壊した文化や生命の痕跡の発掘と保存を、国家の方針として、積極的にすすめているのだが、一方、わが国日本は、はたして、この課題は、むしろ政府の妨害をはねのけながら、今後本格的にすすめていかなければならないものとなっている段階なのだ。
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2006/03/23 Thu

被爆体験の社会性と政治性

asahi.com:「政治的発言、被爆者は自粛を」平和推進協の要請に波紋
2006年03月22日12時52分


けさのネットニュースで知った。
不思議だと思うし矛盾していると思う。
そもそも、原子爆弾投下、被爆体験ということ自体が、きわめて政治的で社会的なものではないのだろうか。
そして、その体験を、今日的に語ろうということになれば、ワタシたち市民をめぐる、世界や日本の現状にふれざるをえないし、戦争と平和の問題を語らざるを得ないではないか。

報道によれば、自粛が求められた項目は具体的に8つあるそうだ。
1枚の文書が発端だった。タイトルは「より良い『被爆体験講話』を行うために」。推進協が1月20日、継承部会に所属する被爆者29人を集めた総会で手渡した。

 「意見が分かれる政治的問題についての発言は慎んでいただきたい」と記し、具体例として(1)天皇の戦争責任(2)憲法(9条等)の改正(3)イラクへの自衛隊派遣(4)有事法制(5)原子力発電(6)歴史教育・靖国神社(7)環境・人権など他領域の問題(8)一般に不確定な内容の発言(劣化ウラン弾問題など)の順で示している。
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2006/02/09 Thu

皇室典範改定問題

端的には、女性の天皇を認めるものにするかどうか、ということらしい。
そもそも、なんでこういうことが言われるようになったかといえば、皇太子夫妻のあいだにまだ男子が誕生していないからだ。

子どもが生まれないと「まだか、まだか」と騒ぎ、男子が生まれないとこれまた騒ぎになる。
この前、大奥がドラマになっていたが、あたかも封建領主の世継ぎ問題のようだ。
現代日本で、「側室」などという存在は端から問題にならないので、必然的に、皇太子の妻に、とてつもないストレスがかかっているだろうことは予想できる。
井戸端の他愛もない話でおわっているのならまだしも、政治問題にまつりあげられ、マスメディア総がかりで、国民の関心をそれに向けさせているのだから。
衆目にさらされている本人が、あまりにもかわいそう。
なんとはなし思うのは、もしかしたら、本人の苦悩を慮って、いまだに根強くある、男子出生への期待やら「子どもまだか」攻撃にさらされている、多くの女性たちの関心を呼んでいるのかも、ということ。

皇室典範の改定にかんして私見をのべれば、日本国憲法には、国民総意の象徴たる天皇の性別まで限定されているわけではないし、憲法の主旨に照らせば、女性が国民の象徴たる天皇であってもなんらさしつかえないわけだ。
憲法の主旨にそって、皇室典範を改定するということ自体は、なんらおかしなことでもなんでもないと思う。
posted by Kyawa at 22:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 憲法

2005/12/11 Sun

「9条守ろう! ブロガーズ・リンク」へリンク

Keep9:9条守ろう! ブロガーズ・リンク結成宣言

知人からの紹介で、この、ブログを活用した「憲法9条」遵守運動を知った。
ブログを一応活用していて、やっぱり憲法9条は、何が何でも変えちゃならんということを信条にしているワタシとしては、一応、リンクしとくべきでしょうと思って、リンクしちゃおうと思った次第。

一応、バナーをはらなきゃならないそうなので、貼っておきます。
9条守ろう! ブロガーズ・リンク
趣旨は、リンク先の「結成宣言」を閲覧してもらえればいい。

ワタシは、日本のいまの憲法が、いまの日本国のすみずみに、すなわち、いまの日本の政治や経済の現状のすみずみに、遵守され生かされているとは実感していないので、いまの憲法っていうのは、変えるのなんの言う前に、まず、きっちり、守ってくれと言いたい方だし、こと、現在日本の平和的生活産業の繁栄をもたらした、憲法9条をはじめとする平和条項を、何よりもありがたいもんだと思っている側だしするので、これを変えて、あっという間(実際は安保条約締結以降、半世紀かけてだけど)に、「戦力」もっちゃいけない国に、世界で第2、3番目の戦力を保持する武装集団を保持するに至った経済大国を、これまた侵略大国“米国”とすこぶる仲良く、言いなりになって、軍事大国の仲良しグループになって、われわれのすぐ下の子孫を、戦場で死なせる、あるいは、戦場で人殺しをさせるなんて言うのは、断固反対だし、拒否する。
だいたい、自分もそんなとこへではっていきたくは、絶対にない。

武装を説く人が、愛国者だとは、かぎらないというのが、昨今の政治屋の言動で、つくづく実感することだ。
アメリカとの安保条約の押しつけと、それに由来する基地被害には、唯々諾々と、アメリカの意向を、むしろ同胞の人々に“押しつけ”ながら、こと、憲法にかんしては、「押しつけ」だことの「おかげで愛国心が育たなかった」だことの、言いたい放題だ。
こんな売国的な人びとが、大手をふって、政治家だ評論家だ、知識人だとほざいていて、彼ら彼女らを無批判におだてあげているメディアの風潮にたいして、「ブログ」での宣伝・意思表明の輪の広がりというのは、一定の効果はあるかも、と思う。
posted by Kyawa at 22:07 | Comment(22) | TrackBack(4) | 憲法

2005/10/20 Thu

小泉首相靖國参拝の報道

まずこの問題は、明らかに憲法違反であろう。
いつくかの訴訟が行なわれていて、結審されたものもあるらしい。
結審内容にも、正反対のものがあるらしい。
しかし、どう考えても、特定の宗教機関に、首相という肩書きをもつ個人が参拝することは、きわめて政治的な行為であって、国政全体に多大な影響を及ぼすことははっきりしているんだから。
まずこのことを強調しとこうっと。

そのうえで、わが国の報道機関が、ほぼことごとく、この問題をはじめ、国際的な観点が皆無だということが、この問題の関連報道を見聞きしていて、よくわかった。
以前から、まったく期待してないけどね。
それにしても、ひどすぎる。

この問題、国内の政治問題という性格のものでは、そもそも、まったくないし、いまや日本の報道機関をのぞいて、アジアはもとより、欧米でも、「ゆゆしき問題」として注目をあびている問題なんだよね。

それを知ってか知らずか――ほんとに知らない報道人がマジでいるからおそろしいんだけど――、参拝強行直後の民放・NHK報道の内容は、「日本政府は中国韓国に理解をもとめた」というようなもの。
愕然とした。
まったく垂れ流し報道以外のなにものでもないし、まるで、中国・韓国両政府が、だだをこねてちょっかいだしているとでもいわんばかりだ。
CS放映の朝日ニュース番組のコメンテーターは、緊急世論調査の結果を引いて、参拝にたいする賛成意見が若干多く、反対意見をわずかに上回っていることにたいして、「この件に関しては、さまざまな意見があることは確かですね」と言った。
このコメンテーター、この件に関しては、「客観報道」に徹して、この問題の経緯や、靖国神社の歴史的背景については一言もなかったが、ここ数週間、大震災を機に新たな局面をみせている「カシミール問題」については、一定の時間を割いて説明してたっけ。
このコメンテーターの報道、何も言ってないのに等しい。

靖国神社をめぐっては、すでに米議会下院の特別決議のなかでも言及され、かなり手厳しい批判がされたのが記憶にあたらしい。
ドイツはもとより、フランスの報道機関でも批判的報道が行なわれた。
地球をぐるりめぐって、日本が包囲された格好だ。

たぶん、「井の中の蛙」のまんまでいるかぎり、日本の報道機関は、自分で自分自身の存在意義を抹殺してゆくんだろうな。
posted by Kyawa at 14:34 | Comment(0) | TrackBack(1) | 憲法